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オリジナル扇子の解説

海外での扇子文化 2

スペインの扇子文化
 扇子というと日本を中心としたアジア各国の文化という感じがしますが、実は遠くヨーロッパにも扇子文化が根づいています。特に、スペインでは現在でも扇子文化が生活に浸透しているといえるでしょう。
 ヨーロッパに扇子が渡ったのは、日本の江戸初期、ポルトガルやスペインとの間に行われた南蛮貿易で扇子は海をわたりました。その後、ヨーロッパ各地で扇子文化が育まれましたが、時代の流れからか少しずつ衰退していった扇子文化も、スペインだけは着々と発達し続けてきました。理由ははっきりと分かりませんが、スペイン独特の暑い気候のせいなのかもしれません。スペインでは今でも多くのシーンでオリジナル扇子が使われています。

 スペインでは、オリジナル扇子は扇ぐ道具以外に、インテリアや芸能の小道具、コミュニケーションの道具として使われてきました。ただ面白いことに、日本では男性も女性も使う扇子が、スペインでは女性だけしか使わないそうです。これはスペインでの扇子文化の歴史によるものではないかと思われるのですが、100年くらい前はスペインのオリジナル扇子は女性が男性への気持ちを伝える道具だったそうです。当時盛んに行われていた舞踏会で、付き添いの目を盗んで気持ちを寄せる男性にこころを伝えたといわれています。
 オリジナル扇子の使い方でそれぞれ意味があり、たとえば扇子を閉じ、その後開いて頬に当てたら、「あなたを好きです」という意味になるそうです。また、胸の前でゆっくり扇いだら「私はもう求婚者がいるから構わないで」、扇子をこめかみにあてて上をみると「昼も夜もあなたを思っています」という意味になるそうです。

 こういった歴史的背景から、今でもスペインでは日常的に扇子が使われています。スペインに観光に来たヨーロッパ人が、扇子でパタパタと扇ぐスペイン人をみて驚くことがよくあるそうです。他のヨーロッパ諸国で扇子はインテリアとして飾るもの。扇ぐものではないのです。そのなかでオリジナル扇子もきっと利用されていることでしょう。

 スペインに独自の扇子文化が発展していることがわかるエピソードがあります。スペインのフェリペ皇太子の結婚式の際、祝賀パレードを待つたくさんの市民の手に扇子が握られていたそうです。これはマドリード市の粋なはからいで、初夏の陽射しの中でパレードを待つ人々に少しでも涼風をと、18万本の特性オリジナル扇子を用意したためでした。本当ならば、オリジナル扇子が揺れ動く中を進む馬車を見ることができたのですが、折から降り出した夕立によってそれを見ることは叶いませんでした。

 しかし、結婚式と晩餐会の席では、扇子は重要な役割を果たしました。出席した王室の多くの婦人は手にオリジナル扇子を携えていました。スペインの社交界では、正装した女性が手に携える装飾小物はそのほとんどが扇子なのだそうです。挙式後のレティシア妃の手にも例外なく扇子が携えられていたそうです。

 また、記憶に新しいアテネオリンピックの開会式でも、スペインの女子選手全員が真紅の扇子を振りながら入場行進する姿を見ることができました。この光景も、スペインの生活に扇子が深くかかわっているからこそといえるかもしれません。

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