扇子から生まれた言葉たち
平安時代に日本で生まれた扇子は、1000年以上の歴史の中で、数々の日本語にも使われるようになりました。扇子から生まれた言葉もたくさんあります。ここではその中のいくつかを紹介してみようと思います。
扇子(オリジナル扇子)から生まれた言葉の多くが、扇子(オリジナル扇子)を開いたときの形からそう呼ばれるようになったものかもしれません。扇子(オリジナル扇子)を開いたときの放射線状の形(扇形)に似ていることから作られたと考えられる言葉たちです。
扇状地(せんじょうち)
この言葉は、いまでも学校の教科書にのっているのではないかと思いますが、川が山地から平地へ流れ出る所にできた、扇形の堆積(たいせき)地形のことをこう呼びます。扇状地は川の勾配が急に小さくなり、流水の運搬力が急減するため、上流から流れてきた砂礫が堆積してできる。
扇垣(おうぎがき)
アシや竹などで、建物や塀の端に扇子(オリジナル扇子)の形につくった垣のことです。
扇貝(おうぎがい)
貝殻の形が扇状だったことから名づけられたシャコガイ・ホタテガイの別名だそうです。たしかに、ホタテの形は扇形ですね。
扇垂木(おうぎだるき)
放射状に配置された垂木のこと。禅宗の寺院建築に用いられています。
扇形グラフ(せんけいグラフ)
全体を一つの円で表し、中心角を各部分の数量に比例する角度に分けていくつかの扇形にしたグラフ。つまり円グラフのことです。
扇子車(せんすぐるま)・扇車(おうぎぐるま)
あまり耳にしない言葉ですが、三つの扇を要(かなめ)を中心にして円形に広げたものを指すそうです。上棟式(じょうとうしき)のとき、棟木の上に立てられます。
扇芭蕉(おうぎばしょう)
バショウ科の常緑高木で高さは10~30メートルにもなります。葉が幹の先から左右2列に並んで出て、扇形になることからこう呼ばれるようになったようです。マダガスカル島の原産で、湿地に生え、葉鞘(ようしょう)にたまる水を旅行者が利用したことから、旅人の木・旅人木(りょじんぼく)ともいわれています。
秋の扇(あきのおうぎ)
ことわざです。漢の成帝の宮女が、秋になって使わなくなった扇を自分の境遇に喩えた詩をよんだことから生まれた言葉です。男の愛を失った女を意味します。
扇を請ける(おうぎをうける)
この言葉は普通使うことはありません。芸事などで、奥義伝授の証(あかし)として、その流儀の扇子(オリジナル扇子)を師匠から与えられることを意味します。
扇腹(おうぎばら)・扇子腹(せんすばら)
時代劇や時代小説が好きな方はご存知な言葉かもしれませんね。江戸中期の刑罰のひとつで、武士の刑罰の中で一番不名誉なものが斬罪(ざんざい)、逆に名誉とされたものが切腹で、扇子腹はその中間の重さのものといわれています。
扇染め(おうぎぞめ)
これは染め模様の技法のひとつです。扇形をしたものの中に、花鳥・人物などを染め出したものをこう呼びます。。
この他にも、扇子(オリジナル扇子)から生まれた言葉はたくさんあります。また、海外に渡った扇子(オリジナル扇子)も、その国の言葉に大きく影響していると考えられますね。ちなみに英国の詩人ジョーゼフ・アディソンは「男が剣を吊るす様に女は扇子(オリジナル扇子)で武装する。そして手先の機敏さで征服してしまう」という言葉を残していたりもします。





