扇子のできるまで
一本のオリジナル扇子が完成するまでには30近い数の工程があり、そのほとんどを職人による手作業で行っています。京扇子のオリジナル扇子はそれぞれの工程を担当する職人がいて、細かい分業により作成されます。一方、江戸扇子はほとんどの工程を一人の職人が担当するため、職人それぞれの個性が魅力となっています。オリジナル扇子の作成工程は主に、扇骨の加工、地紙の加工、扇骨と地紙の組み合わせに分けられます。
扇骨(せんこつ)
扇骨の生産は滋賀県安曇川町と愛知県大治町がほとんどを占め、特に安曇川町は全国生産量の八割を生産するほどです。扇骨は節の間が40センチ以上の、三、四年育った竹から作られ、この竹は冬に切り出されます。
扇骨の長さに切りそろえられた竹は、縦に細かく割られ、扇子の外側に使われる親骨と、内側になる仲骨とで、それぞれ別の工程へ送られます。竹を煮たあと、親骨は表面を削り定められた厚みに加工します。仲骨は裏表の両面を削り取って規定の厚さにしていきます。削った数十枚の竹に要を通す穴を開け、串を通して板のように揃えます。扇骨はまとめられたまま、扇骨加工専用の工具で削られ、同じ形へと成形されます。
削られた扇骨は湯の中で漂白され、屋外に並べて昼夜干されます。この乾燥工程を「白干し」と呼び、扇形に開かれた扇骨が並ぶ様子は安曇川独特の風景として知られています。白干しを終えた扇骨は磨きをかけてつや出しや塗装が施され、仲骨は地紙へ差し込むために先端を細く削られます。
扇骨の色合いを合わせながら、扇子一本分の扇骨を要でまとめて扇骨は完成です。親骨は18工程、仲骨は16工程があると言われています。
地紙(じがみ)
扇面となる紙を地紙といいます。表面となる皮紙を、芯紙と呼ばれる薄い和紙の裏表に貼り付けます。仲骨は、この芯紙に差し込まれることになります。
地紙に絵や模様を描きます。箔押しをする場合には、最初に箔を押してから絵を描き込みます。人物を描く場合には折り目に顔がかからないようにするなど、扇面独特の描き方が要求されます。手書きの他にも、木版や型紙を用いて模様が描かれています。
絵の描かれた地紙に折り目を入れます。折り型と呼ばれる二枚ひと組の型に地紙を挟み、折り畳んでいきます。折り目のつけられた地紙に、差竹と呼ばれる道具を芯紙に突き刺し、芯紙の和紙を開くことで仲骨を差し込む空洞を作っていきます。地紙に圧力をかけて折りぐせをつけ、余分な部分を切り落とし形を整えると地紙は完成です。
組み立て
地紙と扇骨を組み合わせていきます。折られた地紙に息を吹き込み、芯紙の空洞を広げて仲骨が通しやすくします。この作業を「地吹き」と呼びます。仲骨に糊を塗り、素早く芯紙の中へ差し込んでいきます。この糊に香料を混ぜ、完成後のオリジナル扇子から香りが漂わせることもできます。仲骨の差し込まれたオリジナル扇子は一昼夜、板で挟んで圧力をかけることで安定します。最後に熱して曲げた親骨に地紙を糊付けして扇子の完成です。
このようにしてオリジナル扇子は出来上がります。





